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整備工場の顧客管理とは:車歴(修理履歴・整備記録簿)と対応履歴の違い

整備工場の顧客管理というと、まず思い浮かぶのは車歴です。いつ車検を受け、どの部品を交換し、次の点検はいつか。整備システムに入っている情報の多くは、この車の記録です。一方で、お客様が電話で何を相談し、会社が何を約束したかという記録は、車歴とは別のものです。この記事では、車歴(修理履歴・点検整備記録簿)と対応履歴の違いを整理し、整備工場の顧客管理システムに何が要るかを説明します。

整備工場の顧客管理とは

顧客管理とは、お客様の情報とお客様との取引や接点の記録を会社で持ち、次の提案や対応に使うことです。整備工場の場合、お客様1人に車が1台とは限らず、家族で2〜3台を預ける家庭や、営業車を何台も持つ法人もあります。そのため、人の情報と車の情報を分けて持ち、両者をひもづけて管理するのが基本の形になります。

整備工場の顧客管理で扱う情報は、大きく3つに分かれます。お客様の基本情報(氏名、住所、連絡先)、車の記録(車歴)、お客様とのやり取りの記録(対応履歴)です。多くの工場では前の2つは整備システムで管理できていますが、3つ目だけが担当者のノートや記憶に残っている、という状態がよく見られます。

整備工場の顧客管理の定義

整備工場の顧客管理とは、お客様の基本情報、車の記録(車歴)、お客様とのやり取りの記録(対応履歴)の3つを会社として持ち、車検や点検の案内、見積の説明、次の入庫の提案に使うことです。車歴は「車に何をしたか」、対応履歴は「お客様と何を話したか」を残すもので、片方だけでは顧客管理として足りません。たとえば車歴に「ブレーキパッド残り3mm」とあっても、お客様が「次の車検で一緒に」と答えた記録が無ければ、次に電話を受けた社員は同じ提案をもう一度してしまいます。顧客管理システムを選ぶときも、この3つが1つの画面からたどれるかを確認すると、導入後に情報が分散しにくくなります。

車歴(修理履歴・点検整備記録簿)とは

車歴は、1台の車について、いつ、何の作業をしたかを時系列で残した記録です。修理履歴、整備履歴、入庫履歴と呼ぶ工場もあります。中身は、入庫日、走行距離、作業内容、交換部品、請求額などで、整備システムでは伝票を保存するとその車の車歴に積み上がっていく形が一般的です。

車歴と混同されやすいのが点検整備記録簿です。道路運送車両法第49条は、自動車の使用者に点検整備記録簿を車に備え置き、点検や整備をしたときは点検の年月日、点検の結果、整備の概要、整備を完了した年月日などを記載することを求めています。記載事項には、自動車点検基準第4条により、登録番号(または車両番号・車台番号)、点検または特定整備時の総走行距離、点検や整備を実施した者の氏名または名称と住所も加わります。

保存期間は自動車点検基準第4条第2項で定められており、自家用乗用車などは記載の日から2年間、事業用の自動車や自家用の貨物車などは1年間です。保存の義務を負うのは自動車の使用者で、記録簿は車に備え置くものです。整備工場が作業の記録を車歴として持っておくのは、この法定の記録簿とは別に、工場自身の業務のためと考えると整理しやすくなります。

記録簿の記号についても誤った解説が多く見られます。整備記録簿では、×が交換、△が修理、Pが省略を表します。お客様に記録簿を見せながら説明する場面では、この3つを取り違えないよう注意してください。

車歴と点検整備記録簿の違い

点検整備記録簿は、道路運送車両法第49条にもとづき自動車の使用者が車に備え置く法定の記録で、点検の年月日、点検の結果、整備の概要、整備を完了した年月日、総走行距離などを記載します。保存期間は自動車点検基準第4条第2項により、自家用乗用車などは記載の日から2年間、事業用や自家用貨物車などは1年間です。これに対して車歴は、整備工場が自社の業務のために持つ記録で、入庫日、作業内容、交換部品、請求、次回の点検時期などを、期間の区切りなく積み上げていきます。どちらも「車に何をしたか」の記録であり、お客様とのやり取りまでは残りません。記録簿の記号は×が交換、△が修理、Pが省略です。

対応履歴とは(車歴との違い)

対応履歴は、お客様と会社のあいだで交わしたやり取りの記録です。電話の用件、来店時の相談、SMSや車検はがきの送付、見積の説明と返事、次に誰がいつ連絡するかを残します。書き方の詳しい例は 対応履歴とは(書き方の例) で紹介しています。

車歴との違いは、記録の主語にあります。車歴の主語は車で、作業が終われば1件の記録が確定します。対応履歴の主語はお客様で、「見積を出した」「返事待ち」「次の車検で一緒にやる」と、作業の前後に何度も書き足されていきます。お客様の気持ちや判断の理由は、伝票や記録簿のどこにも書く欄がありません。

フロント(例)前回ブレーキパッドが少なめでしたが、今回交換しますか。

お客様(例)それ、前に電話で次の車検で一緒にって話しましたよね。

上は一般的な場面の例です。車歴には「パッド残り3mm」と残っていても、お客様が電話で「次の車検で」と答えた記録が無いと、こうしたすれ違いが起きます。一度ならお客様も笑って済ませてくれますが、何度も続けば「この店は話が通じない」と感じさせてしまいます。

車歴と対応履歴の比較表

比べる点車歴(修理履歴)点検整備記録簿対応履歴
記録の主語車車お客様
残す内容入庫日、作業、部品、請求点検結果、整備の概要、走行距離など用件、会話の要点、約束、次回予定
誰のための記録か整備工場の業務法令にもとづく使用者の記録次に対応する社員
保存の決まり工場ごとに決める自家用乗用車などは2年、事業用などは1年工場ごとに決める
記録のきっかけ伝票の保存点検や整備の実施電話、来店、SMS、見積の説明
書く人整備士、フロント点検や整備を実施した者やり取りをした社員全員

車歴と記録簿は、作業をすれば自然に残ります。対応履歴だけは、誰かが意識して書かないと残りません。顧客管理で穴が開きやすいのはこの部分です。

車歴と対応履歴を両方持つ理由

車歴と対応履歴を両方持つ理由は、整備工場のお客様が「車の状態」と「担当者とのやり取り」の両方で店を選んでいるからです。車歴だけなら、作業内容は誰が見ても分かりますが、お客様が何を気にしていて、どこまで説明を受けて納得したかは分かりません。自動車業界ではお客様は店長や担当者につくと言われ、その担当者の頭の中にしか対応履歴が無いと、退職と同時にお客様も離れていきます。車歴は伝票を保存すれば残るので、整備工場の顧客管理で手を入れるべきなのは、対応履歴を会社の記録に変える部分です。1人工場なら手帳でも足りますが、電話に出る人が2人を超えたら、誰でも開ける場所に置くことを考える時期です。

整備工場の顧客管理システムに求めること

顧客管理システムを選ぶとき、車歴の機能はどの整備システムにもひと通りあります。差が出るのは、対応履歴をどれだけ手間なく残せるかと、電話や来店の瞬間にどれだけ早く開けるかです。

  • 顧客ごと・車両ごとの両方で対応履歴を見られる(家族で複数台、法人で複数台の場合に効く)
  • 伝票、入金、見積書、契約書、SMS送信などの操作で履歴が自動で残る
  • 次回予定と担当者で検索でき、担当者が休みでも予定を拾える
  • 電話の着信と同時に、お客様と車両の情報、直前の履歴が開く
  • 通話の内容を、録音を聞かずに読んで確認できる

整備システム・整備ソフト DREAM POWER では、オプションの「おもてなし接客管理システム」で、顧客履歴、車両履歴、伝票履歴、入金履歴、見積履歴、契約履歴を残せます。伝票保存時やSMS送信時、メンテナンスパック契約時などに履歴を自動で登録する設定があり、プロ版では車検・点検の案内履歴などを複数のお客様の履歴に一括登録する機能もあります。車歴と対応履歴が同じシステムの中にあるので、照会画面から顧客履歴と車両履歴の両方をたどれます。概要は 対応履歴を会社に残す の項目をご覧ください。

CTIのオプションを組み合わせると、電話が鳴った時点で整備システム・整備ソフト DREAM POWER の画面にお客様と車両の情報、写真が表示され、台帳や車歴も別窓で確認できます。数日前に車検はがきを送った履歴があれば、電話に出てすぐ車検の問い合わせだと分かります。さらに通話録音×AI要約を付ければ、通話の内容が要約されて顧客ごと・車両ごとの履歴で読めます。録音は持っていても聞き返す時間が無いのが現場の実情ですが、要約なら数行読めば何を話したかが分かります。仕組みは 通話録音×AI要約 の項目で説明しています。

向かない場合もあります。社員1人で受付から整備まで行い、お客様のほとんどと顔なじみという工場なら、車歴が整っていれば対応履歴は手帳1冊で足りることもあります。電話に出る人が2人以上いる、担当者の交代や退職を控えている、という工場では、対応履歴の置き場所を先に決めておくと後で困りません。

車歴と対応履歴をつなぐ顧客管理の運用(車検・点検の再入庫)

車歴と対応履歴がつながると、車検や点検の再入庫の案内が変わります。車歴からは「次の車検が来年2月」「前回タイヤの溝が少なかった」と分かり、対応履歴からは「平日の昼は電話に出られない」「SMSなら返事が早い」と分かります。この2つを合わせて、案内の時期と手段を決めます。

  1. 毎月、翌々月に車検や点検を迎える車を車歴から抜き出す
  2. 対応履歴で、前回の見送り項目や、連絡のつきやすい手段を確認する
  3. 案内を送ったら、送ったこと自体を対応履歴に残す
  4. 返事が無いお客様は、次回予定に担当者と期日を入れて電話する
  5. 入庫したら、前回の見送り項目を整備士とフロントで共有してから見積を出す

案内を送った記録が残っていれば、お客様から電話がかかってきたとき、出た社員がすぐに用件を察せます。再入庫の率を上げる考え方は 顧客満足度とリピート率を上げる で、店長の退職に備える考え方は 店長が辞めたらお客様も離れる、を防ぐ で詳しく扱っています。

よくある質問

車歴と修理履歴は同じ意味ですか?
ほぼ同じ意味で使われます。整備工場では、1台の車に対する入庫や作業の記録をまとめて車歴と呼び、そのうち修理の記録を修理履歴と呼ぶことが多いです。点検整備記録簿は道路運送車両法にもとづく法定の記録で、車歴とは別のものです。
点検整備記録簿は整備工場が保存しなければいけませんか?
道路運送車両法第49条で記録簿を車に備え置く義務を負うのは自動車の使用者です。保存期間は自動車点検基準第4条第2項で、自家用乗用車などは記載の日から2年間、事業用や自家用貨物車などは1年間と定められています。工場の控えをどう残すかは、工場ごとに決めることになります。
対応履歴は車歴の備考欄に書けば十分ではありませんか?
車1台・お客様1人で、やり取りが少なければ備考欄でも回ります。ただ、備考欄は車に付く記録なので、複数台を持つお客様や法人の場合、話した内容がどの車の備考に書かれたか分からなくなります。お客様単位で時系列に追える場所を別に持つほうが探しやすくなります。
自動車整備ソフトを選ぶとき、顧客管理で何を比べればよいですか?
車歴や記録簿の機能はどの自動車整備ソフトにもひと通りあるので、対応履歴の残し方を比べると差が見えます。顧客ごと・車両ごとに見られるか、伝票やSMS送信で自動登録されるか、着信時にすぐ開けるかの3点です。整備システムの比較は姉妹サイトの 整備システム比較 も参考にしてください。
おもてなし接客管理システムの導入にはどれくらいの期間がかかりますか?
接客管理システム本体の期間は構成によって変わるため、資料請求フォーム からお問い合わせください。通話録音×AI要約のオプションは、申し込みとヒアリングから機器手配や現地工事の調整を含めて約2〜3週間前後が目安です。

出典・参考資料

  • e-Gov法令検索「道路運送車両法」(第49条 点検整備記録簿)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
  • e-Gov法令検索「自動車点検基準」(第4条 点検整備記録簿の記載事項等)
    https://laws.e-gov.go.jp/law/326M50000800070
  • 日本カーネット提供資料(おもてなし接客管理システム ベーシック版・プロ版マニュアル)
  • 日本カーネット提供資料(おもてなしシステム・CTI、通話録音×AI要約 オプション説明)

記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。法令の解釈や個別の判断が必要な場合は、専門家または所管官庁にご確認ください。

お客様は、店長でなく会社につく。

電話・来店・SMS・見積の対応履歴を会社に残し、通話はAI要約で読めば分かる形に。おもてなし接客管理システム(整備システム・整備ソフト DREAM POWER のオプション)の資料をお送りします。

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