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顧客対応の属人化を解消する方法|整備工場と車販店のデメリットと手順

「あのお客様のことは〇〇さんに聞いて」。社内でこの言葉がよく出るなら、顧客対応が属人化しています。整備工場や車販店では、技術の属人化は昔から話題になりますが、お客様とのやり取りの属人化はあまり問題にされてきませんでした。ここでは属人化とは何か、顧客対応で起きるデメリット、そして手順書を作るだけで終わらせない解消の方法を、受付と電話の実務に沿って説明します。

属人化とは(顧客対応の場合)

属人化とは、ある仕事のやり方や、その仕事に要る情報が特定の人にしか分からず、その人がいないと進まない状態を指します。整備の現場でいえば、診断機の使い方を1人しか知らない、板金の見積をベテランにしか出せない、といった技術の属人化がまず思い浮かびます。

顧客対応の属人化は、もう少し見えにくい形で起きます。お客様の名前と車は全員が画面で確認できても、「前回何を話したか」「何を約束したか」「どんな言い方を嫌うか」は、応対した人しか知りません。日本カーネット提供資料では、この食い違いを「お客様:自分が伝えたことは、誰でもわかっている」「社員:自分の部署、担当顧客のみしか、わからない」と表しています。

顧客対応の属人化の定義

顧客対応の属人化とは、お客様との過去のやり取り(対応履歴)が担当者の記憶にしかなく、ほかの社員が同じ前提で応対できない状態のことです。日本カーネット提供資料の例では、1件の車検に、予約の電話をかける業務社員、入庫時にフロントで受け付ける営業社員、交換部品を説明するメカニック、代金を受け取る業務社員の4人が関わります。4人それぞれが自分の場面のことしか知らなければ、お客様は同じ説明を何度も求められます。車歴は整備システムに入っていても、会話の中身が残っていなければ、属人化は解消していません。技術の属人化と違い、困るのは社員よりもお客様の側だという点が、この問題の特徴です。

顧客対応の属人化が起きやすい場面

場面属人化している状態の例表に出るきっかけ
電話の受付誰からの電話か、出た人が名前を聞くまで分からない担当者の不在、昼休み
折り返し誰がどの件で電話したのか、メモが個人の机にあるお客様からの折り返し電話
来店電話で話した内容を、話した本人しか知らない店長の外出、休日
見積と約束値引きや作業の段取りを口頭で決めている請求時の食い違い
車検の案内誰に案内済みかが担当者ごとの名簿で管理されている担当者の異動や退職

どの場面も、担当者がいる日は問題なく回ります。属人化がやっかいなのは、ふだんは困っていないので気づきにくいことです。表に出るのは、担当者が休んだ日、電話が重なった日、そして担当者が辞めた日です。

属人化のデメリット(お客様側と会社側)

属人化のデメリットは、社内の非効率として語られることが多いのですが、顧客対応ではお客様の満足度に直結します。日本カーネット提供資料に引用されたAIDEMのビジネスマナーに関する意識調査(正社員、契約社員、派遣社員、パート・アルバイト3,068名)では、「顧客対応に自信がありますか」という問いに、「あまり自信がない」59.3%、「全く自信がない」12.4%と、7割強が自信がないと答えています。

同じ資料には、自信を持てない理由として「担当者が不在の場合、経緯がわからずにたらい回しにしてしまいクレームになった」「前回の会話を覚えておらず、わかったフリをして不信感をもたれた」「常連客の家族関係などが、スタッフによってうろ覚え、新人は全くわからない」といった声が並びます。どれも本人の能力より、情報が手元に無いことが原因です。

  • お客様側:同じ説明を繰り返させられる、担当がいないと話が進まない、前回と違うことを言われる
  • 社員側:自信のないまま電話に出る、新人が電話を取りたがらない、休みの日にも連絡が来る
  • 会社側:担当者の退職でお客様が離れる、トラブル時に経緯をたどれない、応対の質を比べて直せない

属人化で一番大きいデメリット

顧客対応の属人化で一番大きいデメリットは、担当者が不在または退職したときに、お客様の満足度が一度に下がることです。日本カーネット提供資料に引用されたAIDEMの意識調査(n=3,068)では、顧客対応に自信がない人が71.7%(あまり自信がない59.3%、全く自信がない12.4%)でした。自信が持てない理由の多くは、経緯が分からない、前回の会話を覚えていない、という情報不足です。つまり、社員の接客力を研修で上げるより先に、前回の経緯を誰でも見られるようにするほうが、応対の質をそろえやすいと言えます。社員の不安と、お客様の「話が通じない」という不満は、同じ原因から出ています。

属人化を解消する方法と手順

属人化の解消というと、業務マニュアルを作る話になりがちです。手順書は電話の取り方や車検予約の受け方をそろえるには役立ちますが、お客様ごとの事情までは書けません。顧客対応の属人化を解消するには、手順をそろえることと、お客様ごとの記録を共有することの両方が要ります。

  1. 現状を書き出す:「あのお客様は〇〇さんに聞いて」が出た件数を2週間数え、誰に集中しているかを見る
  2. 残す項目を決める:日時、応対者、手段(電話、来店、SMS)、用件、次にやることの5項目に絞る
  3. 置き場所を1か所にする:ノート、付箋、個人の携帯、エクセルに散らばった記録を、顧客と車両にひもづく画面へ集める
  4. 手で書く量を減らす:伝票、入金、見積書、契約書の保存やSMS送信を自動で履歴に残す
  5. 応対の瞬間に見えるようにする:着信と同時に顧客と直前の経緯が出るようにする
  6. 月1回ふり返る:担当者以外が応対した件で、困った点を記録項目に足していく

日本カーネットのおもてなし接客管理システム(整備システム・整備ソフト DREAM POWER のオプション)は、対応履歴を会社に残すための仕組みで、伝票保存時、入金保存時、見積書や契約書の保存時、SMS送信時などに自動で履歴を登録できます。対応履歴には次回予定と依頼先担当を入れられるので、「誰が、いつ、何をするか」を担当者の頭の外に出せます。電話の場面ではCTIで着信と同時に顧客と車両の情報が表示されます。

手順書と対応履歴の役割の違い

属人化を解消する道具は2つあります。1つは手順書で、電話の第一声や車検予約の受け方など「誰がやっても同じになるべき手順」をそろえます。もう1つは対応履歴で、お客様ごとに違う事情、たとえば前回の約束や家族の車の予定を、会社の記録として残します。整備工場や車販店で解消しにくいのは後者です。手順書は一度作れば済みますが、対応履歴は応対のたびに増えるので、書く手間を減らす工夫が要ります。伝票や見積の保存と同時に自動で履歴が残る仕組みを使えば、人が書くのは会話の中身だけで済みます。日時、応対者、手段、用件、次にやることの5項目程度に絞れば、慣れた人なら1件を短時間で書き終えられます。

属人化の解消が進まない理由と対策

記録の仕組みを入れても、書かれなければ属人化は残ります。よくあるのは次の3つです。

進まない理由対策
ベテランほど書かない(自分は覚えているので困らない)書いた記録が後輩の応対で役立った場面を朝礼などで共有する
電話中に書く余裕がない通話を録音してAIに要約させ、人は補足を1行足すだけにする
書いても誰も読まない着信時や来店時に自動で表示される場所に置く

ベテランが書かないのは、怠けているからではありません。本人にとっては覚えていることを書くのは二度手間で、書いた効果も自分には返ってこないからです。電話の内容については、通話録音×AI要約のように録音から要約までを自動にすると、書く負担がほぼ無くなります。通話録音は昔からありますが、後から聞き直す時間は取れないものです。要約があれば数行読むだけで中身が分かります。

ベテラン依存と整備士の高齢化

日本自動車整備振興会連合会の令和7年度自動車特定整備業実態調査では、整備要員の平均年齢(自家を除く)は47.7歳で、令和2年度の45.7歳から5年で2.0歳上がりました。業態別では専業が53.0歳、ディーラーが37.9歳と、専業の整備工場ほど年齢が高い傾向です。長く勤めた社員ほど、お客様との付き合いも長く、頭の中にある情報が多くなります。その社員が引退する時期は、ある程度先まで見通せます。属人化の解消は、退職の申し出があってからでは間に合いにくいので、数年後の引退を見越して、今の応対から記録を残し始めるのが現実的な順番です。若い社員が多いディーラーでも、異動や転職で同じことが起きます。

属人化の解消が要らないケースと注意点

社長が1人で全てのお客様を受けている工場では、共有する相手がいないので、属人化の解消を急ぐ理由は薄くなります。ただし、1人で抱える情報は年々増えていきます。日本カーネット提供資料でも、少人数の会社ほど1人が覚えることが多くなる点を指摘しています。

注意したいのは、記録に書いてよいことの線引きです。お客様の健康状態や家庭の事情など、業務に要らない個人的な話まで書き残すのは避けます。通話を録音する場合は、録音していることをお客様にお知らせする必要があります。属人化が退職と重なったときに何が起きるかは店長が辞めたらお客様も離れる問題、記録の書き方は対応履歴とは、録音の告知は通話録音の告知文例で扱っています。

よくある質問

属人化とは、簡単に言うと何ですか。
仕事のやり方や必要な情報が特定の人にしか分からず、その人がいないと進まない状態です。顧客対応では、お客様との過去のやり取りが担当者の記憶にしか無い状態を指します。
属人化には良い面もありますか。
担当者がお客様をよく知っていて、きめ細かく対応できる点は強みです。困るのは、その知識が本人の中にしか無いことです。人に任せたまま、記録だけ会社に残すことを目指せば、強みは保てます。
業務マニュアルを作れば属人化は解消しますか。
電話の取り方や車検予約の受け方など、誰がやっても同じ手順はマニュアルでそろいます。お客様ごとの事情はマニュアルに書けないので、対応履歴として別に残す必要があります。
属人化の解消に向いた自動車整備システムや整備ソフトの選び方は。
整備システムを比較するときは、車歴や伝票に加えて、お客様とのやり取りを顧客と車両の両方にひもづけて残せるか、伝票や見積の保存時に履歴が自動で残るか、電話の着信時に表示できるかを確認すると、属人化の解消に使えるかどうかが分かります。
記録を書く時間が取れません。
書く項目を日時、応対者、手段、用件、次にやることの5つに絞ると負担が減ります。伝票や見積など、システムの操作で自動に残せるものは自動に任せ、人が書くのは会話の中身だけにします。

出典・参考資料

  • 一般社団法人 日本自動車整備振興会連合会「令和7年度 自動車特定整備業実態調査結果の概要について」
    https://www.jaspa.or.jp/Portals/0/resources/jaspahp/member/data/pdf/R07jittaityousa.pdf
  • 日本カーネット提供資料(おもてなしシステム 紹介資料。AIDEMビジネスマナーに関する意識調査を含む)
  • 日本カーネット提供資料(おもてなし接客管理システム ベーシック版、プロ版マニュアル)

記載内容は2026年10月6日時点で公表資料を確認したものです。法令の解釈や個別の判断が必要な場合は、専門家または所管官庁にご確認ください。

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電話・来店・SMS・見積の対応履歴を会社に残し、通話はAI要約で読めば分かる形に。おもてなし接客管理システム(整備システム・整備ソフト DREAM POWER のオプション)の資料をお送りします。

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